ゲレンデでBONXを使ってみた

先日、栂池高原に行ってきた。

この雪の少ない2019−2020シーズンだが、偶然にもかなりの積雪があったタイミングだった。

毎年のように、従兄弟や兄弟やその子どもたちを連れてぞろぞろ行くのだが、今回は初めてBONXというアイテムを使って仲間と会話をしながらゲレンデで過ごしたところ、めちゃくちゃ便利だったので紹介する。

ちなみに、大人6名+子供2名+幼児2名の計10名でのスキーツアーで、BONX使用者は大人の6名のみである。

結論

初期費用と電池もちはややハードルがあるが、対策は可能。
結果、とても便利だったので今後はなくてはならないアイテムになりつつある。
使い方次第というのもあると思うが、レンタルが可能なので、モノをよく理解した上で試してみる価値は大いにある。

BONXとは

一応、BONXってなに?ってのを紹介しておきます。
ここでの説明では、解らないようでよく解らないという結果になるかもしれないので、詳しくは公式サイト https://bonx.co/ も見てね。

ちなみに、Zelloというトランシーバのようなのとほぼ同じ。
また、よく似たソリューションではLINE通話などのVoIPシステムもあるが、それらとは似て非なるもの。いや、使い方的にぜんぜん似てない。

BONXっていうハードウェア

BONXっていうハードウェアは、ざっくり言えばBluetooth接続のモノラルヘッドセット(片耳イヤホンにマイクが付いたやつ)である。

ただし、PTTボタン(トランシーバの送信ボタンに相当)の機能をもたせられるスイッチが付いている点がただのヘッドセットと違う。ここ超重要。

一般的なヘッドセットBONX
ハードウェアスイッチ着信ボタン
音量ボタン
曲送り
 など
音量ボタン
メインボタン(PushToTalk、ミュート、着信ボタンになる)

BONXっていうシステム

BONXっていうシステムはPTT(PushToTalk)のシステム。Zelloなどと同じ。

ざっくり言えばトランシーバーに似ている。
LINEやSkype、Googleのハングアウトなどの通話アプリと技術的には似ているが、使い方はこれとは異なる。

これら通話アプリとBONXの明確な違いは、通信しっぱなしなのか、発声時だけ通信するかが違う。

普通のVoIP通話は、電話と同じで無言のときも意味のない無音と雑音を送信し続ける。もちろん通話相手のメンバー全員がそれを受信させられる。
よってその間もデータ通信を続け、通信費とバッテリーが消費され続ける。

一方、BONXなどPTTのシステムでは自分か相手の発声またはPTTボタン(BONXの場合は本体のボタン)の操作を契機に、喋っている間だけ音声を送受信する。(BONXではそれぞれ、ハンズフリーモード/PushToTalkモードといい、切り替えられる)

VoIPZelloなどBONX
通信のタイミング常時発声時発声時
通信量無駄に多い必要分だけ必要分だけ
電力消費無駄に多い必要分だけ必要分だけ
通話の遅れあるあるある
電波の悪いところ切れる切れる切れる
電波の復帰時切れたまま再接続される再接続される

よくAmazonのレビューとかクラウドファンディングの記事のコメントとかで勘違いアンチくんが「普通のヘッドセットでLINE通話するのと同じ」「こんなものに高いお金出さなくてもLINE通話でいい」「喋った声が1秒くらい遅れる」「ゲレンデなどの通信回線が不安定な場所だと切れる」などとごちゃごちゃ書いているが、LINE通話などとは使い勝手は全く違うし、音声の遅れや通信不良で切断などはLINE通話などでも全く同じ。よって明らかに理解不足。
説明を読んだり使ってみても理解できない理解力のなさで、モノを蔑むアホか、BONXが売れると面白くない立ち場の人がアホのふりをしているネガキャンなんじゃないかな。

実際に使ってみる

実際に使ってみたところ、メンバーの評価としては「一度使ってしまうと、ナシは考えられない便利さだなぁこれは。。。」とのこと。

ただし今回我々は、BONXのサイトで掲載されているようなハンズフリーではなく、BONXのボタンを押してしゃべるPushToTalk方式で使用した。

ちなみに、お互いが視認できる距離同士で使うときはハンズフリー、離れた場所同士で使うならPushToTalk方式をおすすめする。
使ってみてそう感じたのはおそらく、目視できる距離同士なら感嘆詞のような、文章というより声のやり取りが適しているが、離れた場所同士の場合はトランシーバのように文章での意思疎通が向いているからだと思う。

んでは、使ってみた上で感じた、イマイチな点、イイ点を書き記す。

イマイチ…だったポイント

使ってみて、BONXもまだ伸びしろがあるな、と感じた点は多少ある。
事前に予測できるもののみだったので解決策や緩和策を講じて回避できた。

バッテリーの持続時間がやや短い

ゲレンデに1日いると朝から夕方まで活動する。仮に9:00〜17:00だとして8時間。
ちなみに、レンタル品はある程度ヘタっていたのか、レンタル品のうち1台は5時間ほどで電池切れになったが、残りの5台は6時間以上連続使用できた。

BONXは公称で7時間駆動する。これは、公式のQ&Aによると

話す:聞く:沈黙=15分:15分:30分=1:1:2の場合に連続通話7時間が可能です。

BONXヘルプセンター – 1-11. BONX Gripの「連続通話7時間」とはどういう意味でしょうか?
https://ja.help.bonx.co/ja/articles/2706320-1-11-bonx-grip%E3%81%AE-%E9%80%A3%E7%B6%9A%E9%80%9A%E8%A9%B17%E6%99%82%E9%96%93-%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%81%A9%E3%81%86%E3%81%84%E3%81%86%E6%84%8F%E5%91%B3%E3%81%A7%E3%81%97%E3%82%87%E3%81%86%E3%81%8B

とのこと。つまり、人数が多くて常に誰かが喋ってたらもっと短くなるし、たまーに誰かがしゃべるくらいならもう少し長く使えるかもしれない。

が、どちらにしても午後はバッテリー残量にヒヤヒヤするし、だれかがバッテリー切れになろうものなら(残30%などのアナウンスはされるけど)やりとりが途絶えてしまい、たとえ近くにいてもコミュニケーション的にはぐれる。
そしてはぐれたら他の手段で連絡しないといけなくなる。
BONXが超便利なので、それが絶たれた瞬間にものすごい足かせが課せられたかのような不便さに襲われる。

このバッテリー問題の解決手段として、お昼ごはんなど休憩を設けて一度集合し、モバイルバッテリーで充電して回避した。
スマホ側のバッテリーもやや早く減るので、念の為そっちも少し充電しておくと安心できる。
一度集合するってのが重要。集合せずにバラバラに充電休憩でオフラインになると、再度(BONX上で)集合するのはかなりしんどい。

機器購入の初期コストがかかる

当然ながら、BONXを購入するにあたってコストがかかる。
Zello用のハードウェアは同等かそれ以上に高いので、特筆するものではないが、かかるものはかかる。

これについては緩和策があり、Rentioというサイトでレンタルができるのでそれを利用した。
1台あたり1,980円(2020年2月現在、3泊4日)のコストとなったが、メンバーみんなに約16,000円のハードを買わせるよりは断然ハードルが低くできた。

ちなみに、かなり便利だったので近いうちに買いそうな勢いのメンバーもいた。

イイね!だったポイント

いつでも話せる。その一点に限る。
リアルタイムにコミュニケーションが取れるのがウリなので当然だが。

ただ、この1点があるだけでゲレンデライフが激変した。

なぜって、ゲレンデ上って案外しゃべれないじゃん?

ゲレンデ経験者はなんとなく分かると思うけど、ゲレンデって立ち止まった状態でも5mくらい離れただけで案外会話ができなくなったりする。
雪が音を吸収するし、防寒でネックウォーマーやフェイスマスクで口がふさがってたり、耳あてしてたりするし、周囲の人も喋ってたり、風の音がしていたりすると何かと聞こえづらいからだ。

リフト降り場で10mくらい離れたらもう無理。
滑りながらだと目の前を滑っていても無理。
リフトやゴンドラで別のかごに乗ってももちろん無理。
麓の初級者コースと頂上の中級者コースに分かれて行動してたらそりゃ無理。

BONXを導入したことで、これらすべての状況下で難なく意思疎通が取れた。

じゃあ「話せる」と何が起こるのか?

時間のロスが激減する

「板のレンタルがもう少しかかるから先にゲレンデ行ってて〜!」
「子供の板を履かせるのに時間かかってるからみんなは先に1本滑っといで〜!」
とか言える。
現にそれで自前の板を持つメンバーは先に2〜3本滑れた。
いちいち1対1で電話とかしてたらみんなの状態を把握してアクションとる間に1本2本と滑る時間が失われる。

また、「リフト降りたら今度は左のゲレンデ行ってみよう?」とか、滑りながら「途中の分岐からさっきと別のコースに入ってみたい」と思っても、前をいくメンバーに伝えられないと実現できない。そうなるとその一本が無駄になってしまうが、話せると随時自由に動ける。

はぐれにくい

「そこの分岐は左ね〜」とか、「このままあそこに見えるゴンドラの中間駅まで行くぞー!」とか喋れると、はぐれにくくなる。はぐれそうな人を途中途中で待つ必要もなくなる。
ゲレンデ上部でそういうのを事前に全部決めてから滑るのってなかなか無理なのよね。

多少のはぐれは、はぐれではなくなる

リフトに乗ってしまうと、何台か後ろのリフトの人の状態はもうわからないので、ん?なかなか上がってこないぞ?みたいな時間って案外モヤモヤする。
「〇〇のすぐうしろので上がってま〜す」とか「いま10/14の支柱まできたよ。もう少し待ってて〜」とか言えると、待つ方も待たせる方も楽になる。

撮影とかもラク

「はい、撮るから滑ってきて〜」とかができてラク。
あと、ハンズフリーモードと相性がいい機能なので今回は使わなかったが、BONXアプリでも撮影機能があって、メンバーの会話が動画に記録されるらしい。
滑ってる姿を撮影しながら、滑ってる本人と撮影してる人の会話がそのまま記録できるので、今までにない映像作品になるはず。

で、Zelloじゃだめなの?

って気になる人もいると思うけど、個人的にはダメでした。ゲレンデでは使えない。

ZelloはBONXとかなり似てる。
VOX機能(BONXのハンズフリーと同じく、音声に反応して音声送信モードになる)があるので、それを使うならアリ。
ただ、PTTモードとして使うには難だらけ。

なぜなら・・・

  • 物理的なPTTボタンがない(一部のAndroid機ではボタンがあるが)のでスマホの画面を操作しないと話せない
    • グローブを外してポケットからスマホを取り出して画面ロックを解除してZelloアプリを起動してPTTボタンを押す、とやって初めて話せる。グローブをして滑走中のゲレンデ上では実質使えない
  • PTT送話時に音のフィードバックが鳴らないことがあり喋るタイミングがわからない(喋っても相手に聞こえてないことがある)
  • Androidでは音量ボタンや多機能ボタンをPTTボタンとして使えるが、機種により挙動が不安定なことがある
  • iPhoneでは物理PTTボタンが使えない
  • 市販のBluetoothヘッドセットでは不安定(最初の3秒くらい音声が送信できないことがある)
  • 上記がアプリのアップデートごとに直ったり逆に悪化したり仕様が変化したりとなんか開発体制も不安定。

と、原因が不明な解決すべき課題が多すぎる。

BONXは、買えば使える。

興味を持ったり、検討している方は、ぜひレンタルで試してみてください。
大型のショッピングモールで家族とちょっと別行動するとかにも便利だと思う。
何がどう便利になるかは工夫次第ですね。

USBメモリをMacの起動ディスクにする(10.9以降)

経緯

仕事で複数のMacOSバージョンの環境を準備することがあったので、OSのクリーンインストールを便利にするための方法をメモ的に記録しておこうかと思います。

必要なものたちを入手する

  • OS Xのインストーラ(Install OS X Mavericks.appなど)
  • USBメモリなどのストレージ

まず、正当な方法でOS Xのインストーラを入手しましょう。

次にUSBメモリ(8GB以上)を入手します。16GBとか32GBとかを使えば複数のバージョンのインストーラを一つのUSBメモリに含めることもできます。

USBメモリを区分けする

インストーラディスクにするストレージを装着します。

次にディスクユーティリティでUSBメモリを消去します。Macに標準で入っているディスクユーティリティを起動して、装着したUSBストレージを消去します。

  • 設定はMacOS 拡張(ジャーナリング)にする
  • ラベルに良さげな名前をつける
    • ラベルには「Install OS X 10.9 Mavericks」とか「何」を「インストールする」のかがわかる名前にしてください。「Mavericks」のみなどの名前をつけるとあとでこれを使ってOSのインストールなどをするときに間違いの元になります。
  • 容量は4〜5GBくらいにする

インストーラを作る

コマンドターミナルを起動して以下を実行します。インストーラ(Install OS X Mavericks.appとか)と対象のストレージ(Untitledとか)は実際のパスに適宜読み替えのこと。

# /Applications/Install\ OS\ X\ Mavericks.app/Contents/Resources/createinstallmedia --volume /Volumes/Untitled --applicationpath /Applications/Install\ OS\ X\ Mavericks.app --nointeraction

起動イメージが書き込まれるまでちょっと時間がかかるので、お茶でもすすっておとなしく待つ。5分くらいだと思う。

書き込みが終われば、アンマウントしてUSBストレージを取り外して終了。

使ってみる

クリーンインストールをしたいMacを用意して、このUSBメモリを挿し、「option」キーを押しながらMacを起動する。optionは起動ディスク一覧が画面に表示されるまで押さえ続ける。

すると、USBのインストーラのパーティションが表示されるのでそれを選択すると、Macのインストーラが起動するので、そのまま進めればOK。

LinuxからPushBulletでメッセージを飛ばす

経緯

自前でサーバを稼働させていたりする場合などで、自分のLinuxマシンからスマートフォンなどに通知を送りたい場合がある。

たとえば、自宅でRaspberryPiでNASやDLNAのサーバを作動させているが、サーバを再起動したときや、何か異常が発生した場合などにすぐにそれを知ることができれば便利なのだ。

そこで、PushBulletを使ってとっても簡単な通知を行う。

PushBulletのアカウントを作成

すでにPushBulletを使用している人は不要。ただ単純にアカウントを作成して、push通知が受け取れる状態になっていれば良い。

PushBulletのAPIキーをメモる

PushBulletのサイトにアクセスしてログインし、画面左のリストから「Setting」を選択する。

表示される画面に「Access Token」が表示されているので、そこに表示されているキーをどこかに控えておく。

Linuxにpushbullet-bashをダウンロードする

PushBulletの通知を送るにはJSONでデータ構造を作ってWebのAPIを叩くだけなんだけど、それを便利にこなしてくれる「pushbullet-bash」というツールがあるので利用させてもらう。

Linux環境にgitがなければ、まずgitをインストールする。

gitが使えるようになったら、任意のディレクトリで以下を実行(※)する。

※2015/12/02現在。リンク切れなどあれば「pushbullet-bash」でググってください。

# git clone https://github.com/Red5d/pushbullet-bash.git

これでカレントディレクトリにpushbullet-bashというディレクトリができる。

pushbullet-bashを設定する

設定ファイルとして~/.config/pushbullet を作成し、下記の1行を記載する。

PB_API_KEY=(控えておいたPushBulletのキー)

通知をPushしてみる

あとはコマンドを叩くだけなのです。次のコマンドを実行してみましょう。

# ./pushbullet-bash/pushbullet push all note Pushテスト Pushのテストです。

これで「Pushテスト」という件名で「Pushのテストです。」という内容をpushできます。自作のShellスクリプトなどから叩いてあげてください。

pushbulletコマンドを単体で実行すると、オプションが見られるので工夫してみてください。コマンドラインで叩くので、スペースを含む内容やコマンドの戻り値などをPushする場合は””(ダブルクォート)でくくるなどの工夫が必要です。